第12回 本格リタイアを迎える団塊世代をとらえる ③夫婦の絆再構築
2012年06月12日
三菱総合研究所
団塊世代は、専業主婦が多い世代だ。既に仕事をリタイアしている方も含めると女性の70%は在宅派。時間的なゆとりもあり、趣味にもいろいろと花を咲かせている。一方、リタイア前の男性は仕事中心で家にいる時間の方が短かった、という人も多いのではないか。そんな方々にとって、リタイア後の家庭生活ではいろいろと乗り越えなければならない課題がありそうだ。
具体例をいくつか見てみよう。
まず、女性と男性で家族に対する意識の違いが見られる。「家族との信頼関係やふれあいを大切にしたい」という質問に ついて世代別回答結果をみると、男性の場合、働き盛りのしらけ世代を除いて、年齢が高くなるにつれて「とてもそう思う」の割合が増加しており、徐々に家族 との絆を求めていく傾向があることが分かる。しかしながら女性はむしろその逆で、年齢が高くなるにつれてその割合が下がる傾向となっている。特に団塊世代 は焼け跡世代よりも低く世代別では最低水準だ。
また、老後のライフスタイルの意向も男女で異なる。「夫婦での時間を楽しみたい」と考えている人 が 男性66%、女性は49%となっている一方、「友人・仲間との時間を楽しみたい」と考えている人が男性54%、女性70%となっており、楽しみたい相手に 対する考え方にも違いが見られる(いずれも「あてはまる」、「ややあてはまる」の合計値)。