第10回 本格リタイアを迎える団塊世代をとらえる ①団塊世代の価値観をとらえる
2012年05月08日
三菱総合研究所
団塊世代の定義はいろいろあるが、狭義には1947年~1949年の3年間に生まれた方を指す。この最初の年、1947年生まれの方が今年いよいよ65歳となり定年を迎える。団塊世代は、人数が多いために若い頃からマスマーケットの対象として狙われると供に、彼らが自ら時代を拓き新しいライフスタイルを築いてきた。 人口減少時代を迎えた日本において、マーケットボリュームのあるこの層のリタイアは企業から見れば大変魅力的であり、現在注目度が高くなっている。
団塊世代の注目度が高まったのは現在ばかりでない。少なくても今から5年前、すなわち団塊世代が60歳を迎える時にも、リタイアに伴う新たな需要創出を期待して高い注目を集めていた。
しかしながら、実際には盛り上がりに欠けたまま尻すぼみとなってしまった。その理由はいくつか考えられるが、特に男性が60歳でリタイアしなかったことが大きい。仕事を継続していたので、時間的余裕は増えず、余暇をはじめとして新しいことに目を向ける余裕も少なく、その機運も高くなかったのであろう。しかし、団塊世代で65歳までに引退したいと考えている人は現在就業している人の41%、既にリタイアしている人が39%いることを考え合わせると、今度は本格的にリタイアを迎えることは確実だ。時間的余裕の拡大により、余暇活動は活発化し、消費が刺激されることが期待されるところである。