第2回 「化粧品ってお肌に悪いでしょ」から見える中国の化粧事情

2015年04月13日
三菱総合研究所 事業予測情報センター 劉瀟瀟

中国を訪れ、「中国女性はみんな肌がきれいだが、あまり化粧していない」と感じた人は少なくないだろう。2013年中国の化粧品市場は約1,330億元で、中国のGDP成長率より速いスピードで伸びている。しかし、現在の市場規模は、人口が1/13の日本とほぼ同じ規模である。化粧習慣が根付いていないため消費量が少ない。所得水準の向上とともに美容意識が向上すると考えられるものの、中国特有の事情がそれを阻んでいるようだ。

化粧品に対する不安感

 弊社の中国女性MROCで聞くと、化粧に対して「化粧品には化学成分が沢山入っているからお肌によくない」「特に妊娠時に使うと赤ちゃんにも悪影響があるかも」「綺麗になりたいが、朝の時間もあまりないから面倒くさい」「まわりの人はお化粧していないから目立ちたくない」と発言した中国女性が多い。つまり、肌の負担や健康・世間の評価などについて大きいな不安をもち、化粧に抵抗を感じていることがわかる。

 彼女達の不安は、どこからきたのか。

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