Today's China

第4回 中国における住宅問題の深層

三菱総合研究所 事業予測情報センター 劉瀟瀟 / 2015年06月01日
中国大都市における現在の住宅価格は、一番高い時期に比べ、若干下落したが、近年高騰してきたことが知られている。結婚するカップルのほとんどは家族の力で購入した新築かリニューアルした中古マンションに引っ越しし、文字通りの「マイホーム」で新婚生活を始める。日本のように結婚後、何年間も賃貸住宅に住むことはとても考えられない。

第3回 「甘味離れ」が進みつつある中国清涼飲料市場

三菱総合研究所 事業予測情報センター 劉瀟瀟 / 2015年05月11日
中国の清涼飲料(ソフトドリンク)市場は、炭酸飲料、お茶、缶コーヒー、果汁飲料、スポーツ飲料、ミネラルウォーターなどから構成され、2013年の消費量は約14,359万トン(注1)であり、一人当たり約110リットルである。それに対し、日本の2013年の清涼飲料市場は2,062万キロリットル(注2)であり、一人当たり約160リットルである。中国の清涼飲料市場は巨大であるだけなく、増加する余地がまだまだある。

第2回 「化粧品ってお肌に悪いでしょ」から見える中国の化粧事情

三菱総合研究所 事業予測情報センター 劉瀟瀟 / 2015年04月13日
中国を訪れ、「中国女性はみんな肌がきれいだが、あまり化粧していない」と感じた人は少なくないだろう。2013年中国の化粧品市場は約1,330億元で、中国のGDP成長率より速いスピードで伸びている。しかし、現在の市場規模は、人口が1/13の日本とほぼ同じ規模である。化粧習慣が根付いていないため消費量が少ない。所得水準の向上とともに美容意識が向上すると考えられるものの、中国特有の事情がそれを阻んでいるようだ。

第1回 中国消費市場を理解するための3つの視点

事業予測情報センター 劉 瀟瀟 / 2015年03月30日
中国と日本は同じ東アジア圏に属し、同じ漢字文化圏にも属するなど、文化・風俗習慣の似ている面がある。しかし、中国が経済発展を事実上開始したのは1978年の「改革開放」以降であり、日本と社会環境には違う面も多い。ここでは特に中国消費市場を理解するための3つの視点として、伝統思想、世代格差、安全性への不信感について取り上げたい。