第60回mifセミナー

第60回セミナーでは、カルチャースタディーズ研究所 主宰 三浦 展氏、昭和女子大学 人間社会学部現代教養学科 准教授 天笠 邦一氏をお招きし、マーケット・インテリジェンスでもご好評いただきました「インスタ女子と筋肉女子 ~現代女性の分類学」をご講演いただきます。

【概要】
 検索と言えばグーグルと思っているのは中高年で、若い世代は検索手段としてTwitterやInstagramを使う。そんな利用メディアによるギャップが世代間や性別間で広がり、ますます「女性」の姿は見えにくくなっている。本講演ではmifによる20-30代の女性5,442人への調査から明らかになった現代女性のメディア利用と価値観・消費行動を明らかにします。

天笠氏:まず現代女性に特徴的なSNSの利用方法として、検索や閲覧を中心にSNSを受け身で利用している「検索女子」や「閲覧女子」、逆にストーリーやライブ配信という発信機能を利用する「ストーリー女子」「ライブ女子」を中心に分析を行った。女性たちは、自らの指向性や求めるものに合わせ、驚くほど戦略的にSNSの機能を使い分けている。

三浦氏:アプリの使いかたから「自己露出系」という類型を発見した。「自己露出系」は消費行動の面でも「インスタ映え」女子以上に積極的であり、注目すべき存在である。また「なりたい職業」についての分析結果を見ると「ボディ系」という類型が浮かび上がった。「自己露出系」にも「ボディ系」にも独特の意識や階層性がある。利用するSNS別に階層意識を見ると、自分を動画や写真でアップする人は上流が2割以上。対して「Twitterで検索をする」などの人は下流が多い。スマホがほぼ100%普及したことで、階層などの人間の類型に即して多様なSNSの使われ方があるのだ。

 

■ カルチャースタディーズ研究所 主宰 三浦 展(みうら あつし)
1982年パルコ入社、マーケティング誌「アクロス」編集長。90年三菱総合研究所入社。
99年カルチャースタディーズ研究所設立。消費、都市の研究者として活躍。
著書に『下流社会』『第四の消費』『マイホームレス・チャイルド』『日本若者論』『平成女子図鑑』『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?』など多数。

 


■ 昭和女子大学 人間社会学部現代教養学科 准教授 天笠 邦一(あまがさ くにかず)
専門は、メディア論,社会学。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 博士課程修了、博士(政策・メディア)。
ソーシャル・モバイルメディアの社会的受容を研究する。
著書にThe Post Mobile Society: From the smart/mobile to second offline(共著)2016/04、ポストモバイル社会 (共著) 2016/03、ネット社会の諸相 (共著)2015/04 など。

 



プログラム

14:00-16:00 インスタ女子と筋肉女子 ~現代女性の分類学
カルチャースタディーズ研究所 主宰 三浦 展 様
昭和女子大学 人間社会学部現代教養学科 准教授 天笠 邦一 様
16:00-16:30 mif事務局からのお知らせ

※プログラムは予告なく、変更することがございます。

開催概要

日時 2019年9月18日(水)14:00-16:30
申込締切 2019年9月11日(水)17:00
会場
三菱総合研究所・大会議室(東急キャピトルタワー4階)
〒100-8141 東京都千代田区永田町2-10-3 [会場地図]
参加費 無料
対象者 mif会員(有料・無料)
募集人数 70名
最終更新 2021年02月19日

講演資料のダウンロード

こちらから講演資料をダウンロードいただけます。